歯並びが悪いとトラブルが起きやすくなります
歯の1本1本が隙間なくきれいにそろった歯並びは、清潔感があり爽やかな印象を与えます。人間の永久歯の数は縄文時代から変わっていないそうです。しかし、現代人は縄文人と比べて歯の土台となるあごが小さく、狭いスペースに同じ数の歯がぎゅうぎゅうと詰め込まれた状態。そのため、おのずと歯並びが乱れてしまいます。きゅっとしまった小さなあごは美人の条件でもありますが、歯並びにとっては悪条件なのです。
歯並びのよしあしは、「遺伝」によるもののほかに、「やわらかいものばかり食べて咬む回数が少ない」といった「食生活」や、むし歯や歯周病によって歯を失ったことで隣の歯が傾くといった「疾患」などが考えられます。
歯並びの乱れによる影響
では歯並びが乱れ、上下の歯の咬み合わせが悪くなると、どんなデメリットがあるのでしょうか。
デメリット1 虫歯や歯周病になりやすい
歯と歯の間にできる隙間に食べ物のカスがたまりやすく、毎日の歯みがきでは落としきれないケースが増えてきます。そうなると細菌が増殖し、虫歯や歯周病を発症する可能性が高まります。
デメリット2 ほかの歯科治療の妨げになる
矯正治療をしっかりやっておかないと、失った歯を補うブリッジやインプラントといった治療を行うことができません。早めにケアしておかないと、すべての歯の治療が完了するまでに時間がかかってしまいます。
デメリット3 胃腸に負担がかかる
歯並びの乱れによって、上下の咬み合わせが悪くなると、食べ物をしっかり咀嚼して細かくすることができず、胃や腸といった消化器官に負担がかかります。
デメリット4 コンプレックスを持つ
前歯の並びが乱れていると見た目のデメリット要素が強くなり、それが気になって自信を持って人と話したり、思いっきり笑ったりするのをためらってしまうことがあります。歯並びが乱れている場所によっては発音にも影響を及ぼし、話しづらくなるというケースがあります。
あなたの歯並びは大丈夫?
歯並びの乱れは意外と自分では気付かないものです。そこで見た目でわかる歯並びの乱れの例を紹介します。
八重歯:叢生(そうせい)
八重歯の女性はかわいらしい印象ですが、医学用語では叢生(そうせい)と呼ばれる歯並びの異常になります。でこぼこした生え方が特徴で、あごの小さい人に多くみられます。
受け口:反対咬合(はんたいこうごう)
咬み合わせたときに下の歯が突出してしまう状態。下あごの過度の成長や下の前歯の突出による歯並びの異常などが原因です。出っ張っている部分の歯が乾くことで虫歯になりやすくなります。
出っ歯:上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の歯が下の歯より前に出ている状態。原因は舌で前歯を押す癖があったり、子どもの頃の指しゃぶりなどで、前の歯が前に出てしまうケースと、もともと上あごが前に出ている場合があります。
すきっ歯:空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間が大きく開いていた「すきっ歯」と呼ばれる状態です。歯の大きさが不ぞろいだったりして、食べ物のカスがはさまり、虫歯や歯周病になりやすくなります。
上下の歯が前に出ている:上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上の歯と下の歯の両方が前に出ている状態です。口全体が突き出ているように見え、見た目としてもデメリットです。リラックスした状態でも唇を閉じることができないことがあります。
お子さんの歯並びを気にかけてあげてください~小児歯科~
大人になったときの歯並びは、子供のときの歯並びに大きく左右されます。早め早めから矯正を続けていると、それだけ大人になったときの歯並びもよく整い、きれいに見えるようになります。お子さんの歯並びのことを、お父さん、お母さんが少し気にかけてあげてください。
ただし、無理強いはしないであげてください。将来のことを考えてお子さんに矯正を受けてもらいたい、とご両親がどれだけ強く思っていても、実際に治療を受けるのはお子さん自身なのです。
矯正は少しずつ歯を動かしていくものですから長い時間がかかります。中には、矯正装置を付けたまま生活することを嫌がるお子さんもいるでしょう。そういったお子さんに矯正を無理強いしても途中で装置を外してしまったり、通院を拒否するようになったりと、失敗する可能性が高くなります。それでは、ご両親にとってもお子さんにとっても悪い結果になってしまいます。
神奈川県横浜市新羽の歯科医院「すが歯科クリニック」の小児矯正歯科では、お子さんの気持ちを第一に考えて治療の方針を決めています。お子さんが自分で矯正を受けることを選ぶまで、ご両親と一緒に見守っていきたいと考えています。
お子さんの将来を考えた矯正治療~床矯正~
大人の歯列矯正では「ブラケット」という固定式の装置を使って歯を動かす方法が一般的ですが、成長段階にある子どもの矯正の場合は、顎を広げて歯が正しく並ぶスペースを確保する治療が効果的です。この顎を広げる治療法を「床矯正」と言い、取り外し可能な装置を用いて乱れた歯を正しい位置へと誘導していきます。
床矯正のメリット
- 装置が取り外せるので、食事やブラッシングで困らない
- 装置が目立ちにくい
- ブラケットに比べて装着時の痛みが少ない
- 顎の骨や周辺の筋肉の正しい成長をうながせる
- 治療した後のきれいな歯並びがもとに戻りにくい
- 矯正治療で抜歯を回避できる可能性が高くなる
床矯正をおすすめする理由
「矯正治療は歯を動かすもの」というイメージがあるかもしれませんが、成長途中の子どもの骨は大人のそれに比べてやわらかいため、顎の正しい成長をうながすことによってきれいな歯並び・咬み合わせを実現できることがあります。それを可能にするのが床矯正です。
顎が小さい(細い)と咬む力が弱まり、骨格の成長に支障をきたすケースもあります。しかし、だからといって簡単に抜歯を選択するのは正しくありません。なぜなら歯は本来、「必要だからこそ生えてくるもの」だからです。横浜市新羽の「すが歯科クリニック」では、床矯正によって抜歯を極力避け、健やかな口腔内環境につながるきれいな歯並びや咬み合わせへ導くお手伝いをしています。